堂園秀隆(どうぞの ひでたか)
照明器具専門通販「てるくにでんき」運営者。照明器具の販売・施工に携わって36年。第二種電気工事士、照明士の資格を持ち、これまで数多くの住宅・店舗照明を手がけてきました。専門家としての知見を活かし、「照明って難しそう」というお悩みに寄り添いながら、わかりやすく丁寧にサポートいたします。
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前回6/24の記事で、傾斜天井にどんな照明器具をつけたらいいのか?カタログなどで傾斜天井に適している器具である表示の見方などをお話しました。さて、今回は傾斜天井に取付できる「吊下げのペンダントライト」についてお話したいと思います。
ペンダントライトは条件付きで傾斜天井に可能?
前回お話した傾斜天井に適したシーリングライトは、傾斜に対応していると書いてあればほぼ、そのまま取り付けることが出来ます。しかし、ペンダントライトの場合は、傾斜天井に取付はできます。と記載があっても(コードハンガー使用時のみ)というカッコの中に条件が記載されていることがほとんどです。
コードハンガーって??使用時のみ??
たぶんほとんどの方がよく理解できないと思います。コードハンガーというのは、名前の通りで、コードをハンガー=吊るすという意味で、ペンダントライトのコードを吊るすためのフックみたいなものになります。
さて、このフックがクセモノでして、通常は電源から位置をずらして取り付けたいところにこのフックを使ったりするのですが、絶対条件としては、天井裏に補強のための木材が入っている箇所にしか止められない。という点なんです。でもお客様からしたら、付属で入っているコードハンガーなのだから、自分の設置したいところにどこでも取付できるって考えがちですよね?でも自分が設置したいと思ったところに、補強の木材が入っていない場合は、ボード天井などですと、フックを取付してもペンダントの重みがかかったら、ストンって抜けて落下してしまうんです。フックは上の写真をみてもわかるように、ネジ状になっていますから木材だったらしっかりと固定できますが、補強されていないボードだと固定ができないからなんですね。この部分を知らないお客様がほとんどなんですね。
フックは電源への負荷を減らすための手段
このフックを使用すれば、傾斜天井に取付できるということになるのですが、要は傾斜天井にペンダントライトを吊るすと、電源部分からのコードが曲がった状態で取付することになりますよね?天井は傾斜でも、吊るした器具はまっすぐに垂れ下がりますから、電源の部分のコードに負荷がかかってしまいます。そのため、そのままペンダントライトを取り付けることが出来ないという訳です、フックを使うことにより、電源への負荷を減らしてあげるというのが、このフックの役割なんです。
ここまでで、傾斜天井のペンダントはフックを使用してなら取付可能であるという表記の意味をおわかりいただけたかと思います。
まずは木材が天井裏にはいっているか?の確認が必要
以上のことから、もし傾斜天井にペンダントライトを付けたいと考えている場合は、フックが固定できるように補強されているかどうか?をまず確認することが必要です。ただ一般の方で、このあたりの判断はなかなか悩ましいかもしれません。傾斜天井の場合は、高天井である場合が多いですから、取付は専門の電気工事士に依頼されるのがいいと思います。
ワンランクアップした仕上がりが美しい取付の方法
ここからは、今まで施工の経験が多い弊社だからご提案できる、傾斜天井にペンダントライトを仕上がりよく取りつける方法です。
それは、傾斜天井フランジというものを使う場合です。
上記のフランジを、今ついている電源(引掛シーリングなど)と取り換える方法です。交換には電気工事が必要です。このフランジを取付することにより、引掛シーリングタイプのペンダントライトを簡単に取付できるようになります。フックを別途固定するという必要もありません。また、さらにメリットを言えば、1回設置してしまえば将来的に器具を交換したいと思ったときに、自分で交換が可能という点です。フランジを設置するには工事は必要ですが、そこに取り付ける器具は、カチャッとはめ込むだけです。模様替えしたときに器具も交換したいなという場合に、気軽に交換することが可能です。
実際に設置した場合も実例集がございます。ぜひご参考ください。
【工事編】斜め天井の蛍光灯照明器具をLED製に交換したい(東京都東久留米市のお客様より)
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